Fig95: T. stricta(CC-BY-SA)
チランジア 育て方
エアープランツ 育て方
Tillandsia
スマホは横向きのほうが見やすいかもしれません。
■育て方/栽培/ケア■
●種にもよりますが基本的に簡単です。
●開花にはそれなりに光に当てる必要があります。
●低温には弱いが室内であればほぼ問題ない。多くの種は5℃位までは大丈夫です。
●着生植物なので風通し良く。蒸れには弱い。
●株元に水が溜まると枯れる原因になるので水は与えすぎない。
●根も空気に触れていた方が良い。
●過失に弱いから”水をあげない”ではなく、乾燥しやすい環境(十分な光/対流)を作る
●対流といってもファンで風を送る必要はなくキッチンのように換気扇から隙間風が入るくらいで十分です。
●通常は週2回の水やりで良いようですが私は冬以外は毎日霧吹きしています。
●チランジアは水分の損失を防ぐため昼間は気孔を閉じていて水分を吸収しない為、気孔の開いた夕方以降に水やりしたほうが良い。
●冬場は2ヶ月くらい水をやらなくても大丈夫な種もあるようです、乾燥して枯れる可能性よりも過湿で腐る可能性の方が高いらしいです。
●但し過湿には弱い反面、養分の摂取は水の供給に依存しているともいわれています。また、「雨が降らない=水分がない」とは限りません。砂漠のような所では朝晩の気温の変化が大きく、毎日霧が発生する事も多いです。
その為ソーキングをメインにして水やり回数を極端に減らすような事はよくないかもしれません。
(個人的にはソーキングは乾燥しすぎて弱ってしまった時の”荒治療”だと思っています)
●一般的にチランジアはグズマニアよりも日の当たる所に自生しています。
●直射日光のあたる所に自生している事も多い。
●念の為、夏の直射日光は避けた方が安全かもしれないですが極力日に当てた方が良いです。
●花が咲かないのは光が弱い可能性が高いです、光の弱い所でも枯れないかもしれませんが、極力日に当てた方が良いです。
●光量と水分要求量は比例します(NatureGarden神田)
●光が足りないほど暑さ寒さに対する耐性が下がります。(NatureGarden神田)
●水が好きと言われる種でも暗い所で水を多めにすると腐りやすい。
●弱い光でも育つといった記事も見かけますがどうなんでしょうか?ある程度生き続けるのも事実のようですが。
土から養分を吸収できない環境のチランジアがどうやって養分を得ているのでしょうか?光合成に養分を頼っていると想像できないのでしょうか?(正確には光合成のほかに風雨によって運ばれた粉塵を微生物を介して養分にしている)
上の画像は電線に着生するチランジア、かなりの直射日光を浴びてると思われます。ちなみにチランジアの重さで電線が切れる事もあるそうです。(経年劣化した電線を使い続けているのが一番の原因では??政治家の責任転嫁のようにも感じます、チランジアを有害植物にしないで!)
●根を出して着生したほうが育成が良い。(南紀グリーンハウス)
●着生植物の中にはある程度根を張り巡らさないと開花しにくい植物や、先に根を張ってから葉の成長が始まるものもあります。個人的な意見ですが、基本的に植物にとって根を張る事は重要な事ではないでしょうか?
●根は一方向にしか伸びない事も多いです。想像ですが成長の初期段階で根が伸びる方向が決まってしまう種もあるのではないでしょうか?
●肥料:なくても育つが大きな株にしたい場合は春から秋に少量与える。私は基本的に与えません。
●下記は状態が悪い時の症状です。
(南紀グリーンハウスPDF)
・株元が柔らかくなる。
・葉の根元が黒くなる(種によっては例外も)。
・新しい葉が取れる。
【チランジアの光量/温度/水】
(NatureGarden神田)
「光の確保が最も重要だと考えています。それから次に温度。光は固定で、生長に適する温度があれば水を多く入れ、低温に向かえば向かうほど水の量を減らす。※種類によって異なります」
●殺虫剤はやめた方が良い??
チランジアは大気中の粉塵などを養分にしていますが、粉塵を直接吸収するのではなく、葉の表面上の微生物が粉塵を分解し、それを吸収している事が明らかになっています。(Puente & Bashan 1994.)
その為、殺虫剤で葉の表面の微生物を殺してしまうと養分を吸収できなくなってしまうかもしれません。
●乾生種:ライフサイクルが長く、種子から開花するまでに何年もかかるものが多い。
【ソーキング】
※私はあまりソーキングをやらないので詳しくは知りません。
●乾燥させすぎて葉が丸まったりしたら水中に沈め水を吸収させる。(左写真:南紀グリーンハウス)。
●ソーキング注意点
・時 間:1時間以内
・ 水 :塩素を抜いたもの→1日溜め置きした水又は金魚用ハイポ(百円ショップにあり)でカルキ抜きしたもの、塩素が多すぎると葉先が茶色くなる。
・後処理:株を逆さにして十分水を切る。
■チランジア 各タイプ■
※チランジアはタイプにより光/水の要求量等が若干異なります。
【環境によるタイプ分け】
Xeric(ゼリック/乾燥)
※当サイトでは「TypeX」「X」と表示する事があります。
●「Xeric」はギリシャ語で「乾燥」を意味するそうです。
●主に乾燥地帯に自生するチランジア。
●乾燥や強光に強いです。
●チランジアの葉にはトリコームという灰色/銀色の短毛のようなものが付いていて、このトリコームが直射日光から草体を守り水分の蒸発を調整する。一般的に乾燥した地域(Xeric気候)のチランジアほどトリコームが多く葉が灰色/銀色に見える。トリコームが多い種は「銀葉種」と呼ばれる。
大まかには「Xeric = 銀葉種」という傾向ですが例外もあり、余り葉色で判断しない方が良いかと思います。ちなみにトリコームは最大で90%以上のUVを反射するそうです。
Mesic(メシック/適湿).
※当サイトでは「TypeM」「M」と表示する事があります。
●ゼリックほど極端ではない中くらいの(= medium = mesic)気候に自生するチランジア。
●主に湿った熱帯生物群系に自生する為乾燥から草体を守る必要性が少ないのでトリコームが少なく葉が緑色に見える種(緑葉種)が多い。乾燥や強光にやや弱いです。
※Xeric/Mesic は基本的には気候に関する用語です。
※「Xeric」と「Mesic」の中間を「Semi Mesic」、「Mesic」より高湿度の環境を「Hydric(ハイドリック)」といいます。
Xeric(ゼリック)補足
●Xericの代表種はT. xerographica。語源は”Xeric(ゼリック:ギリシャ語由来の乾燥を意味する英語)”からと思われますが学名はラテン語が基本ですので発音はゼログラフィカではなくキセログラフィカ。但し英語圏ではゼログラフィカの発音で略してゼロスと呼ばれる。
●Fig80は直射日光下で55℃の高温に耐えた記録もあるというチランジア テクトルム。典型的なゼリックです。
●ゼリックには想像以上の過酷な直射日光に晒されている種も多く、栽培下では光量不足になりやすいです。極力日光に当てましょう。
※Xericでも光が弱い所で育てているとトリコームが少なくなり緑色が濃くなることがあります。よく言えば環境に適応したという事ですが、光量が少ないサインと捉え、もっと明るい場所に移した方が良いかもしれません。
【特徴によるタイプ分け】
タンクタイプ
※当サイトでは「TypeT」「T」と表示する事があります。
●霧の多い地域などに自生するチランジア。
●グズマニアのように葉の内側に雨水/霧水をためて水分を得ています。
●熱帯雨林に多いですが必ずしも湿潤な気候に自生している訳ではありません。
●一般的には通常の種より水分の要求量が多いですが極端な例外もあります。
アリ壺タイプ
※当サイトでは「TypeA」「A」と表示する事があります。
●アリ植物(Ant plant / Myrmecophyte)です。
●アリと共生しアリから養分を得ている。蟻壺タイプは過酷な環境に自生する傾向があります→丈夫で枯れにくい?
※アリ壺タイプにもXeric/Mesicがあります。
●タンクタイプとは逆に内部に水が溜まる事を嫌い、横向き又は逆さづりにして育てた方が良い。
ケセランタイプ
※当サイトの勝手なタイプ分け
●Keceran Patharan(ケセランパサラン)のような形のチランジア。
●葉が極端に細い為乾燥に弱い。
タンクタイプ補足
●チランジアの多くは葉の内側(根元)に水がたまると良くないとされます(たまった水に細菌が繁殖し病気の原因になる)。
ですがタンクタイプと呼ばれるチランジアはグズマニアの様に葉の内側にたまった水から水分を吸収します。
●このタンクタイプは通常のチランジアより水を好みます。
※葉に水を貯めておくのは少量に抑えた方が良いかもしれません。
※グズマニアでも葉に長期間水が溜まったままだと良くないので2週間に1回は葉を逆さまにして水を捨てます。
タンクタイプはうつわの様に葉を広げ降水や霧による水を内側に貯める(下図:グズマニア)
アリ壺タイプ補足
●アリから効率よく養分を吸収しています。通常の種より肥料の要求量が高い可能性があります。
●アリが入れるように内部が空洞になっていますが、自然界ではFig76のように内部に水が浸水しにくいよう横向き又は下向きに着生している事が多いようです(乾燥地帯の種はその限りではないかもしれませんが)。栽培下でも水が入らない様に横向きや逆さ向きで育てた方が良いかもしれません、いずれにせよ過湿厳禁です。
●蟻共生種は13種位ある?
関連:ディスキディアの蟻共生
【葉の形状によるタイプ分け】
●平らで柔らかい葉: 乾燥/強光にやや弱いです。
●固く湾曲/カールする葉: 乾燥/強光に強いです。
●葉がカールするのは葉の全面に直射日光が当たるのを避けるためで、そのように進化した種は乾燥した地域に自生するものが多く乾燥/強光に強いです。
●画像ID: ①著作者②作品名③ライセンス形態④備考⑤URL
・Fig00:①jorge_ce②Tillandsia latifolia③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/159551900
・Fig02:①jossgv②Medusa’s Head③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/157457557
・Fig16:①lucascosta②Tillandsia aeranthos③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/148195816
・Fig23:①yuvitescu②Tillandsia australi③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/148242023
・Fig29:①Seiya Ishibashi②Tillandsia xerographica③CC BY 2.0④翻案⑤https://www.flickr.com/photos/i-saint/2556308029/
・Fig35:①blakesito②Tillandsia brachycaulos③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/75330235
・Fig43:①nachotorres②Blushing Bride Airplant③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/129325243
・Fig66:①eusebio78②Tillandsia brachycaulos③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/158405666
・Fig74:①rollier②Tillandsia complanata③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/148082574
・Fig76:①oliverkomar②Bulbous Airplant③CC-BY-NC④⑤https://www.inaturalist.org/observations/136562976
・Fig80:①josephsee7②Fuzzy Air Plant③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/10282580
・Fig95:①diogoluiz②Tillandsia stricta③CC-BY-SA④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/150458795
・Fig96:①nestorh②Tillandsia xerographica③CC-BY-NC④⑤https://www.inaturalist.org/observations/172440195
ヒメクマゲラ
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